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パチュリーの手記・第6話『ブラックアウト』

「初期微動、来ます!」
ちょこあが声を荒げる―
小刻みに揺れ―大きな音を立てて―揺れ始めた―
「ぎゃーっ!」
下から突き上げるような大きな揺れ―
地震慣れしていない小悪魔とちょこあが悲鳴を上げる―
戦慄―東日本大震災の時も…紅魔館は揺れた。
しかしこの揺れは…あの時以上―

1分経過したか…そのくらいかで揺れは収まった―
『ちょこあ、至急情報を集めて!正確な震源と津波の有無を確認して!』
「は、はい!」
『小悪魔は寝てる咲夜と美鈴を起こしてきて!』
「はい!」
幸い停電しておらず、昨日のようなことにはならなそうだ―
しかしこれだけ揺れが大きいと…水道が止まっていないか心配になる。
まぁその辺は魔法でなんとかなるけど―
「パチュリー様、震源は胆振地方東部…内陸部です!津波の心配はないようです!」
『津波の心配がない…とりあえずは安心ね…。』
ほどなくして、レミィとフランが部屋の中に入ってきた。
「あ、あんたたち大丈夫だった?」
「すごい揺れだったねぇ…美鈴が爆発したのかと思った…」
さすがの吸血鬼姉妹もこの揺れには焦ったようだ。
『津波の心配はないみたいよ。』
この別荘は海が見える高台にある。仮に津波が来たとしても多分大丈夫だと思うけど―
東日本大震災の津波の映像を思い出し、地震が来たらまず津波の有無を確認するようになった。
「私とフランは別荘の中を確認してくるわ。ほらフラン、いくわよ。」
「うん…」
フランの手を引いてレミィは部屋から出ていく。
私は呼吸を整えて部屋の中を見渡した。特に棚から何か物が落ちたとかはなさそうだけど―
「パチュリー様…大変です…」
ちょこあの声が震えている―
ちょこあはディスプレイでニュースを見ているが―
「函館の夜景が…消えていきます…」
私もディスプレイをのぞき込む―
そして―
函館山からの夜景…街の明かりが部分的に消えていき…そして―
すべてが暗闇に包まれると同時に…部屋の明かりも消えた―

パチュリーの手記・第5話『2018年9月6日、午前3時』

2018年9月5日朝…台風一過。
打って変わって良い天気になった。台風が去るたびに秋に近くなっていくという。
午前8時…朝食を済ませた私たちは台風の被害がなかったか別荘の周りを確認した。
幸い被害はないようでまったりとした日中を過ごす。

5日夜…別荘で小悪魔たちの仕事は咲夜の手伝い程度。
紅魔館では容赦なく図書館の整理整頓なのだけど。
夜になれば、基本自由行動だ。
ちなみに私は日中もただぼーっとPCのゲームをやっていたりする。
小悪魔とちょこあはパソコンで動画を見たりテレビを見ていたりする。
まったりとした時間だけが過ぎていく。

ここで説明しておこう。小悪魔とちょこあが使っているパソコンには
地震検知ソフトがインストールしてある。マグニチュード3.0以上の地震が発生した場合、
地域に限らず通知される仕組みになっている。
日本国内では毎日のようにマグニチュード3.0以上の地震が発生している。
東日本大震災以降、地震による被害を最小限に抑えるため、
正しい情報を迅速に知る必要がある、と私がインストールさせたのだ。
当然別荘のパソコンも同じ設定にしてある。

日付が変わり、午前3時を回った―
突如、パソコンから注意音が鳴る―地震検知ソフトだ。
ディスプレイを見ていたちょこあの表情に緊張が走る―
続いて注意音が警報音に変わる―
「地震検知!震源は胆振地方東部…推定マグニチュードは6.2…いえ、6.7に修正されました!」
「予想震度は札幌で2…4に修正されました!」
続いてスマホからあの嫌な音が響いてきた―緊急地震速報だ。
ちょこあのパソコンのディスプレイをのぞき込む―
別荘の場所は…札幌より震源に近い―

『総員、衝撃に備えて!』

パチュリーの手記・第4話『台風21号、闇をもたらす』

2018年9月5日…午前1時過ぎ。
電灯が消え、真っ暗になった。
私は反射的に明りの魔法の詠唱を始め、思いとどまった。
ここは幻想郷ではない。北海道の別荘だ。
手元にあったスマホをかざし、周囲を確認する。
聞こえてくるのは風の音のみ。台風21号はまもなく温帯低気圧に変わるはずだが…。
「大丈夫ですか?パチュリー様。」
小悪魔たちは夜目が利くのだろう。私を心配そうに見ている。
『少し驚いたけど大丈夫…。』
幸いパソコンで動画を見ていた程度…何かの作業中だったら目も当てられない。
『すぐ復旧すると思うけど…。』
私はため息をつき、スマホの画面をのぞき込む。
『北海道電力さんのがんばりに期待しましょう…』
紅魔館なら自家発電設備がある。基本的に停電の心配はないのだけど。
そうこうしているうちに、扉をノックする音が聞こえた。
『開いてるわよー。』
扉を開けて入ってきたのはレミィだった。
「あんたたち、大丈夫?」
『大丈夫よー…まぁ台風だしね。停電も予想の範疇だわ。』
レミィは安心したのか、そう、と言って扉を閉めてしまった。
一応心配していてくれたらしい。
『はぁ…』
もう1つため息をついて、ベッドに横になった。

結局この停電は数分で復旧することもなく、小悪魔たちの話だと、
電気が復旧したのは2時間後の午前3時頃だったらしい。
やることがなくてベッドに横になっていた私は…いつの間にか眠っていたようだ。

しかしこれは…9月6日に発生する…自然災害の前振りであることを…
この時、誰も知る由もなかった―

パチェちょこ番外編・パチュリーの手記・第3話

2018年8月末…北海道の別荘にて何事もなく過ごしていた私たち。
北海道はさすが…暑い日はあるものの幻想郷の比ではない。
海が近いため適度に風が吹く。
そしてなによりも…漁港が近いので海の幸が豊富…
毎年これを楽しみにして別荘に来ているようなものである。
知っての通り幻想郷に海はない。新鮮な海産物の入手は困難だ。
おいしい刺身、塩焼、煮つけ…この1か月で1年分堪能して帰るのだが…
「うー…台風が来てるから予定通り帰れないかも。」
レミィがすこし不満そうに言った。
台風21号…関西で猛威を振るい…関西国際空港を冠水させた強烈な台風…
それが今、進路を北海道に向けている。
「幻想郷もまだまだ暑いし…もう一月こっちに居ようかしらね…。」
鶴の一声で決定。私もそれに異議はなかった。
むしろおいしい食事があと1か月続くのは嬉しいことだし。
ただ…お留守番組には申し訳ないが…。

2018年9月4日夜…別荘にも台風21号が接近…風が強くなる。
「情報によると既に近隣で停電が発生しているようですよ。」
懐中電灯を片手に、小悪魔がそう報告してきた。
このころはパチェちょこシーズン4の収録も終わり、次のゲーム実況のロケハンをしている頃だった。
『まぁ大丈夫でしょ…でも一応明りの準備をしておこうか…』
魔法で明かりを-と思ったのだが、ここは人里。幻想郷なら使っても不審がられないが…
もっとも紅魔館なら自家発電があるので停電が発生することはありえない。

2018年9月5日…日付が変わり風がさらに強くなる。
ビュービューと吹く風の音がどんどん強く-
そして…
プツン!
視界が暗転した。

つづく

パチェちょこ番外編・パチュリーの手記・第2話

2018年8月上旬、私たちを乗せた北海道新幹線は函館市に辿り着いた。
「レンタカーを手配してきます!」
小悪魔はそう言って駅の外へと出ていった。
今回のメンツは私、パチュリー以外に…
レミィ、フラン、美鈴、咲夜、小悪魔、ちょこあの7人。ここあとしょこあはお留守番。
続いて私たちも駅の外へ出る。
幻想郷~函館間は約5時間の道のりだ。いままでは空路を利用していたのだが…
開通当初、新しい北海道新幹線に乗ってみたいと、レミィが毎年チケットを手配してくれている。
転送魔法を使えばものの数秒だが、旅というものは移動も楽しむものである。
北海道新幹線のグランクラスは快適で、苦を感じさせない…。
しかしここからが大変であった。別荘まで約1時間半の道のりである。

「着きましたー…」
少し疲れたように小悪魔が言った。
「やっぱり北海道は涼しいですねー。」
ちょこあがそう続ける。
別荘と言っても別荘地ではない。ちいさな港町である。
「私はご近所にあいさつに行ってくるわ。咲夜は別荘の掃除を。フランも手伝って。」
「かしこまりました。」
「はーい☆」
レミィ、咲夜、フランがそれぞれ行動に移る。私は…
『私たちの部屋のPCを起動、アップデートが入るはずだから…』
「かしこまりました。」
これから1か月、この別荘でゆったりと過ごす…。
いつもなら何事もなく1か月が過ぎ、幻想郷に帰るのだが…まさかあんなことになろうとは…。

つづく
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プロフィール

白雪海藍

Author:白雪海藍
「しらゆきふぁいらん」と読みます。
水曜どうでしょう大好き人間。
東方を知ったきっかけは東方GTAの
「レミリア様が行く」シリーズ。
そこから「文のSA取材紀行」、
「帰ってきた氷精剣士」、
「紅魔の小悪魔さん」、
「十六夜咲夜の御使い」シリーズなどに
はまり、現在に至る。
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モンスターストライクもやってます。
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ランクは353です。
(2018年03月19日現在)

(アイコンイラスト・「天探女」様)

北海道生まれ・北海道在住。
主な活動時間は午前中および夜~朝方。

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